僕らはいつも
何かを待っているよう
君は自由に宙を舞う
あの花も
あの水辺も
星が瞬く間に
どこかへと消える
僕はといえば
風を聴いたり
星を読んだりして
気ままにやっている
君は君のものだけど
僕が君を待つ間だけ
君は僕のものになる
僕の息を感じていれば
君はきっと安心だね
だけど明日になれば
僕たちはまた飛びまわる
君は僕の一部を抱えたまま
どこへでも飛んでいく
さっきまで僕たちは
転げあってひとつだったけれど
僕には君のかけらがない
実はというと
君が少しうらやましい
君はつかみようのない粒子のように
そこかしこをすり抜けて旅をする
光の速さで
僕らはいつも
何かを待っているよう
でも待っているのじゃない
それでいい
だって僕には
すました顔をした花がある
だまって考え込む石ころも
やさしく変わっていく水面も
そしてほらそこには
君がいる