目覚める時
いやその少し前
ほんのわずかではあるが
それは見える
雫に映る光のように
あるいは
遠い風の声のように
それは現れて
少しずつ
少しずつ
澱を残す
目を開ければ
愛おしさがまだ寝息を立ててる
そっと確かめるように触れて
ふたたび目を閉じて
口づけをする
名残惜しさをそこに置いて
大きく息を吸う
静かに声に出す
おはよう
コヨーテにも犬にもなれない。ここにある詩はある人への読まれない私信である。完全にゴミとして捨てる前の一時的な保管場所だ。