Polaris

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むかし見上げたあの星は

ほかとは随分違って見えた

青白く涼しげで

地上のすべてを導いていた

 

 

 

今ぼくは冷たい夜に揺られ

行く当てもなく氷の海を進む

あの星が弱々しく赤く見える

変わってしまったのは僕の方か

 

 

 

ありもしない愛の名の下に

数えきれないほどの言葉の刃で

僕を血だらけにして捨てた

愛が消えたと言わない代わりに

 

 

 

僕だけが汚れた罪人だと

一度は信じ込んだ

嘘を聞かされながら

罪を認め続けた

 

 

 

ああそうさ僕は悪い

でも残酷なのは

愛を与えるふりをすること

愛を求めるふりをすること

 

 

 

もうどうでもいい

二度と月を見つめない

もう一度あの星を追う

 

 

 

身体の痛みで心の痛みを麻痺させる

そうしないと生きていられない

身体も限界だろうが

やめられない

あなたを忘れるために

 

 

 

そう

あなたを覚えていたくない

 

 

 

ああ

あの愛しい猫たちも忘れてしまおう

 

 

 

なんてことだろう

 

 

 

僕はあなたを忘れる

ふたりには何も残らない

はじめから何もない

 

 

 

僕はもう一度あの星を追う

 

 

 

あなたを忘れる