Photo credit: Bernd Thaller on VisualHunt.com
むかし見上げたあの星は
ほかとは随分違って見えた
青白く涼しげで
地上のすべてを導いていた
今ぼくは冷たい夜に揺られ
行く当てもなく氷の海を進む
あの星が弱々しく赤く見える
変わってしまったのは僕の方か
ありもしない愛の名の下に
数えきれないほどの言葉の刃で
僕を血だらけにして捨てた
愛が消えたと言わない代わりに
僕だけが汚れた罪人だと
一度は信じ込んだ
嘘を聞かされながら
罪を認め続けた
ああそうさ僕は悪い
でも残酷なのは
愛を与えるふりをすること
愛を求めるふりをすること
もうどうでもいい
二度と月を見つめない
もう一度あの星を追う
身体の痛みで心の痛みを麻痺させる
そうしないと生きていられない
身体も限界だろうが
やめられない
あなたを忘れるために
そう
あなたを覚えていたくない
ああ
あの愛しい猫たちも忘れてしまおう
なんてことだろう
僕はあなたを忘れる
ふたりには何も残らない
はじめから何もない
僕はもう一度あの星を追う
あなたを忘れる