出逢い

 

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人混みであなたを探すと

少し遅れると電話があった

僕は高い場所からあなたを見つける

喧噪を縫って後を追う

 

 

思ったよりも道路は眩しくて

君は照れてばかりいた

川沿いの道を抜けると

花びらが宙を舞っていた

 

 

胸が高鳴ってどうすればいい

落ち着いたふりで歩く

花吹雪は少し寒くて

笑い合いながら車に戻る

 

 

僕はあなたに見とれてばかりで

あなはた顔をそらしてばかりで

でも何度も笑い合い

いつまでも話し合った

 

 

温室に向かいながら

やっと僕はあなたの全身を見た

眩しくて目を細めた僕は

嬉しくて世界中が輝いてみえた

 

 

ずっと緊張して

違う部屋の鍵を探ったり

頭をぶつけてあなたを笑わせた

そのあとやっと部屋を暗くした

 

 

その日僕たちは

誰よりも美しく身体を震わせ

何よりもひとつだった

まるで前からひとつだったみたいに

 

 

僕はあの日から

何も変わってはいない

今日も続くこの恋は

僕の胸を締めつける

 

 

あなたが幻でないと

確かめたのはあの日から

僕はずっと

夢の中にいるようだった

 

 

どうして

どうしてこうなったのだろう

あなたは冷たく背を向けて

僕はもうすがりつきもしない

 

 

あんなにも好きだった

いや今はもっと好きだよ

なのにどうして

どうして

 

 

随分前に胸は張り裂け

涙は枯れた

歯も折れて

耳は塞がれた

 

 

それでも諦めなかった

好きだもの

それなのになぜ

あなたから離れていく

 

 

そういえば

あの場所も

なんだか違って見えた

あなたは不幸そうだ

 

 

お前ではないと

毎日突き付けられた

もうきっと思い出せなくなる

あの美しい日々

 

 

どれだけたくさんの夜を

あなたを想って過ごしたか

月を見て涙を流し

花を見て胸が詰まった

 

 

何を見てもあなたを想った

どんな詩もあなたをうたった

すべてはあなたに

あなたにだけ捧げたのに

 

 

僕はこのまま

すべての扉を閉じて

すべての窓を塞ぎ

暗闇で過ごすだろう

 

 

そのうち思い出も消える

美しかった僕たちは

何もなかったことになる

永遠に永遠に