Photo credit: dieckie90 on VisualHunt.com
穏やかな顔をしているが
口を結び押し黙っている
同じ皺
同じ沈黙
あなたにはそう見えるかもしれないが
あなたを見上げる花は
もうすっかり変わった
あなたが嘆き悲しみ
怒りにまかせて詰っている間に
いつしかすっかり変わった
花だけは同じ
だが根はなくなった
もうどこへでも流される
先に変わったのはあなただ
ただそれを言わないだけ
まだよかった
寂しさに震えているころは
涙で夜明けを迎える日も
だが今はなにもない
なにも感じない
枯れかかっても声は出さない
悲しくて悲しくて悲しくて
そして悲しくなくなった
もうなにもない
立ち尽くして
虚空だけを見つめる
呆けた顔で
屈託なく笑って
子犬のようにしがみついたのは
もういつかの幻
記憶は薄れ
本当か嘘か
もうどうでもいい
もうすぐ枯れて砂になる
大切だった
あの愛しさ
もう意味はない
汚れ切った汚泥の中に
微かに光るあの粒
もうすぐ消える
永遠に失われる
おそろしい予感がしているから
防衛反応として書いた
悪い未来を描いておけば
少しでも耐えられるだろうか
たぶん無理だ