いしころ

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ほんとうのことはだれもしらない

ほんとうのことをだれにもいわない

そうやってぼくはたえてきた

それほどのものだというかくごは

ほんとうはまだなかったけれど

へいきなふりをしてたえてきた

 

 

ぼくはうそをつかなかったし

ずるいこともしなかった

せいじつにふるまったけど

ひとをきずつけたことはみとめる

だからしあわせをのぞまなかったし

おめいをきせられてもだまっていた

 

 

なんとかだいじなものをきめて

それいがいのものはだいじにしなかった

だからひとをかなしませたし

ほんとうはぼくもかなしかった

じかんがすぎればとりかえしはつかない

ぼくはまるでいしころみたいだ

 

 

よのなかはそうたんじゅんじゃないって

ずいぶんいわれたきがするけれど

だからってぼくがうそをついたり

ずるいことをするりゆうにはならない

だからぼくはこうかいはしないことにする

ほんとうはこうかいしていたとしてもね

 

 

ほんとうのぼくは

ようきでたのしいにんげんなんだよ

ほんとうはやつらとかたをくんでもいい

それくらいおだやかなのさ

でももうこうなってしまったら

いまさらどうしようもなりはしない

 

 

だけどきみだけはとくべつなんだ

だってきみといっしょのぼくは

よくわらうしよくたべるだろう

ぼくはいつもきみをまちわびてるし

いつだってきみのことをかんがえてる

きみだけはねとくべつだよ

 

 

ぼくがいなくなるまえに

ほんとうのことをきみにはなすよ

きみにだけね