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この苦しみは
いつかの誰かたちの苦しみ
その多くはみな
もがき苦しみながら消えた
この世界には
当たり前のようにあるものだ
そう聞いても救いにはならない
毎日のように責め立てて
二度と立ち上がれないように圧し潰す
それでもただひとつの温もりが
僕を這い上がらせようとした
それが失われるなら
いや最初からなかったとしたら
僕は目に見えないほどの塵になって
わずかなそよ風に吹き飛ばされる
涙の跡もなく残響もない
ただ静かに消える
この苦しみも僕と共に消えるだろう
それでもまた誰かが苦しむ
わめき散らし涙を流し
涎まじりに抗議するだろう
なぜ俺がなぜ俺ばかりがと
それに意味があるかって
あるわけないだろう
お前はただ打ち捨てられるだけ
かすかな揺らぎで吹き飛ばされる
あわれな塵よ
いやもう
あわれですらない
塵