犬が通る

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黒い枝

風に舞う花びら

青い空

蜜を吸う鳥

 

 

風は遠くから来て

また遠くへ行く

 

 

あなたの声がする

 

 

目を閉じる

鳥の声

葉のざわめき

空には飛行機

 

 

あなたの息を感じて

僕は目を開ける

口づけをしたい

でも傍を犬が通る

 

 

いつだって

それはここにあった

 

 

僕たちがなんであれ

葉は生い茂り

枯れて落ち

鳥は生まれ

花は咲く

 

 

風はいつも吹いている

いつだって遠くから来て

また遠くへ行くんだ

 

 

風が寂しいと言うなら

きっと僕も寂しい

哀しみも消えないだろう

 

 

でも僕は幸せだ

僕はいつだって

あなたに口づけをしたい

そしていつだって

傍を犬が通る

 

 

あなたが笑う

僕も笑う

口づけしよう