Photo credit: Jo Naylor on VisualHunt

 

 

君と僕しかいないSNSの

君のアイコンが消えて

メッセージは届かなくなった

オロオロしていたら

初期化されたアイコンが現われた

消したけど戻したよと短い言葉に

哀しみと安堵を同時に得た

 

 

 

君を抱きしめてうっとりしても

世界は弾丸の雨を降らせる

僕の身体を貫いて君を傷めつける

だから君は抜け出そうとした

この世界では温もりよりも鋼が必要だ

僕は諦めそうになった

君を人生を

 

 

 

苦しみに顔を歪めながら

帰ってきたよと君が言う

再び君を抱きしめる

なつかしい匂い

なつかしい息遣い

もちろん世界は変わらない

 

 

 

鋼がほしい

鋼がほしいんだ

君を護るためならなんだってする

鋼がほしい

鋼がほしいんだ

 

 

 

だけど僕の前には大量の紙

こいつを片付けなければ仕方ない

苦しみの地層のように

堆く積みあがる

しがみつくあなたの腕から

力が抜けていく

 

 

 

待って待ってくれ

行かないで行かないで

護るから君を護るから

どうかどうか

離れずにいて

 

 

 

多くの言葉が流れた川に

今水は少ない

僕を責めないように

あなたが黙るからだ

僕は知らないのか

あなたの痛みを

僕を切り離すほどの苦しみを

 

 

 

ほらルーフレールにシオカラがたくさん

産卵しようとしてるんだ

まちがって

僕たちがカーテンの隙間から見た光も

同じだったのかな

そう恋さ

 

 

 

君のアイコンは戻らないまま

メッセージもごくわずかだ

それでも君はそこにいる

僕を呼んでいる

小さな小さな声で

 

 

 

鋼がほしい

鋼がほしいんだ

君を護るためならなんだってする

鋼がほしい

鋼がほしいんだ

 

 

 

君を護るためならなんだってする

君を護るためならなんだってする